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教職P

履修生インタビュー

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File 1.
研究者としてのアイデンティティを確立させる

内田 圭佑(教育行財政研究室 2020年度入学)

地元の福岡にある大学から広島大学大学院に進学してきた目的の1つが、「先生の先生になる」ためであったので、教職Pを受講することは至極当然のことでした。しかし、「先生の先生」がどのようなものか具体的に思い浮かべられていたわけでもなく、教職Pでの学びを通じて、教育学研究者としての自己のあり方を常々考えさせられています。

授業で出す自分らしさ

小学校と中学校(社会)の免許を取得し、学部の4年間塾講師をしていたため、授業をするという経験はそれなりに積んできたと思っています。しかし、そこでの経験は学習指導要領や教科書、教材という土台の上に立ったものであり、大学での授業とは全く条件が異なります。

15回をどのように構成するかや教科書をなにに設定するのか、あるいはしないのかなど、授業者としての自由度はとても高いと思います。裁量の大きさゆえの問題でもありますが、私が教職Pの授業やプラクティカムを経て苦労しているのは、自分の研究や自分がおもしろいと思っていることをどれだけ授業に反映させることができるかということです。

現在、私はカナダの教育制度の研究をしていますが、これを読んでくれている皆さんが受講してきたり、これから受講することになるであろう、教育学に関する授業や教職課程の授業の中で、カナダの教育について学ぶことはほとんどないでしょう。また、カナダの教育制度については学部生の頃から関心がありましたが、当然、学部時代の教育実習や塾での授業の中で、それについて触れたこともありません。しかし、研究者として大学で授業をする際には、15回すべてでカナダの話をすることはなくとも、カナダを例に日本の教育について考えてもらえるような構成、内容にすることに挑戦しなければならないと感じています。

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徐々に「教育行政学研究者」として

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教職Pのメンバーとは共同研究を行っており、私はテーマとメンバーは変わっていますが、2年連続で参加しています。所属している教育行財政学研究室でも、先生と院生で共同研究を行っています。教職Pでの共同研究との違いとして、さまざまな研究室の院生がいるため、課題意識やその解決に向かうアプローチは異なります。問題設定を共有するためにも、それぞれの立場や考え方を伝えなければなりません。その際、単なる個人的な考え方ではなく、未熟ながらも私であれば、教育行政学としての捉え方や考え方を他の研究室の院生にも述べなければなりません。共同研究を通じて、異なる立場の考え方に触れることなどで、自分の見識が広がることはもちろん、自分が立つべき位置のようなものも考える機会となっています。

執筆時点は、D2の夏なのでちょうど教職Pを折り返す時期です。教職Pでは、さまざまなことを学んでいますが、学んだままではなく、自身の研究や教育活動のなかで、それを発揮できるよう、一層努力を重ねていきたいです。

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