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教職Pは、博士課程後期の院生に開講されています。

受講生は、それぞれの個人研究を進めながら、プログラム(青色部分)を受講し、教職課程担当教員としての資質・能力の向上を図ります。これに加えて任意で共同研究が組織されたり、指導教員の大学の講義のTA業務を通して学生指導をしたり、他大学の視察などにも取り組みます。

教職P三年間のプログラム概要

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カリキュラム

1年目

基礎理論の習得

Curriculum

1年目は主に演習を通して大学教育・教職課程に関する理解と基礎技能の習得を目指します。

1.セメスター 大学授業構成論講究

博士課程前期までに習得した教職に関する学習をベースに、現在の教員養成の制度と教員養成プログラムについて学習します。日本の主要な大学教育学部の教員養成カリキュラムと授業のシラバス、使用教科書の分析と複数の授業科目のシラバス作成を通して、大学における授業計画を立てるにあたっての要点、課題、手法について学習します。

2.セメスター 大学教員養成講座

大学教員の職務の理解、大学の授業設計に関する基礎的な知識・技能の習得、教育方針の明確化と授業設計の作成、専門分野の多様性への理解、省察的実践と自己改善のサイクル構築を目標に、大学教員になるための資質能力の向上を目指します。

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<受講の様子>

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<先輩のプラクティカムの補助と勉強>

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<教職P関連の書籍>

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川本吉太郎さん

教育行財政学研究室

2021年度入学

「将来、教師教育者、あるいは研究者を志す者として、本年の教職Pでの学びは非常に豊かなものでした。

大学授業構成論講究では、各大学における教職科目のシラバス分析や、広島大学で開講されている教職科目を比較・分析することで、自らがシラバスを構成する際の示唆を得ることができました。

また大学教員養成講座では、多岐に渡る分野の院生さんたちとの意見交流により、新たな知見やものの見方・考え方を学びことができました。

本年度の教職Pでの学びを踏まえ、来年の教壇実習では、自らの教育観と授業としての深い学びの両立を目指していきたいと思います。」

2年目

学内プラクティカム

Curriculum

2年目は、1年目の学修を踏まえて、実際に学内でプラクティカム(講義実習)を行います。事前検討会―実習本番―事後検討会からなり、事後検討会後には振り返りを作成し、プラクティカムでの学びを省察します。前期と後期に一回ずつ行うことが通例となっています。

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<プラクティカムの様子>

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<観察者の様子>

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<オンラインでのプラクティカム>

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権赫虹さん

幼児教育学研究室

2020年度入学

実際に「先生」という立場で授業を体験することだけではなく、事前・事後検討会を通して新たな気づきと自分自身が足りないところの改善へとも繋がります。とても貴重な経験になりました!

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中村好甫さん

西洋教育史研究室

2020年度入学

私は、オンライン上で動画配信するための講義をつくりました。実際に授業を作る・やってみることで、自身を持ってる知識や技能を確認することができ、また上手くいかなかったこと、予想外のことに出会うことでより具体的な授業の方法や想定をイメージできるようになりました。実際に、何が授業で必要になるのかを体験する貴重は経験でした。

3年目

学外プラクティカムと教職教育ポートフォリオ

Curriculum

3年目は、学外でのプラクティカムを実施します。広島大学以外の大学で教員養成課程の講義・演習を受け持ち、事前検討会―実習―事後検討会―振り返りを行います。

これまで修了生は、徳山大学、広島文化学園大学・短期大学、比治山大学・短期大学部、高松大学・短期大学、別府大学、高松大学、関西学院大学、広島文教大学・女子大学、山口大学、広島女学院大学、香川大学、福岡教育大学、広島都市学園大学などでプラクティカムを実施してきました。

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<学外プラクティカムの様子>

<学外プラクティカムでの事後検討会の様子>

<入念なリハーサル>

後期にはこれまでの学びを総括して教職教育ポートフォリオを作成します。自身の大学教員・教職課程担当教員としての抱負(「ティーチング・フィロソフィー」)を書き、教職P及び研究科での学びを総括します。

「ポートフォリオ」を提出し、評価を受け合格すると、大学から「広島大学教職課程担当教員養成プログラム修了証書(certificate)」が授与されます。

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<ポートフォリオ検討会>

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<ポートフォリオ>

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<サーティフィケート>

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渡邉真帆さん

幼児教育学研究室

2019年度修了

私は広島文化学園短期大学で受け入れて頂き、学外プラクティカムに取り組みました。自身の専攻に即して保育者養成課程の授業で実習させていただきました。学外プラクティカムを通して、受講生の学びの状況をより具体的に理解して授業を組み立てる力をつけることができました。

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坂本達也さん

教育哲学研究室

2019年度入学

私は広島文化学園大学で道徳の授業を行わせていただきました。初対面ということもあり学生さんが積極的に協力してくださいました。おかげでいつも以上のパフォーマンスを発揮することができたと思います。初対面という独特な雰囲気の下で授業を行えるというのが面白い部分です。

教職Pでの共同研究

Curriculum

教職Pに参加する院生はこれまで様々な共同研究を組織してきました。高等教育論、教師教育、教師の成長と専門職開発に関することなど、教職Pでの学びをさらに深化発展するテーマが多く選ばれています。その研究の成果は諸研究学会での発表等においてまとめられてきました。

また、教職Pでの学びは国内外の教員養成大学への学外視察なども定期的に行われており、大学での教員養成の制度や実態について広く見聞を広めることとなっています。

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共同研究の話し合いの様子

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京都大学での教職実践演習の実践の訪問視察への教職P生の参加※1

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島根大学での教職課程の設計と実践に関する聞き取り調査への訪問視察への教職P生の参加※2

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広島大学で開催されたセミナー(EVRI 定例セミナー「ポートフォリオ評価を軸にした教員の養成と教師教育者の養成」)への参加※3

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世界授業研究学会(WALS)での発表(北京市内)

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アムステルダムでの国際学会

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佐々木龍平さん

教育社会学研究室

2021年度入学

私たちは「大学における教員養成の意味再考−教師塾との比較を通して−」(仮)という題目で共同研究を進めています。教師塾(教員養成塾)という大学以外での教員養成の場を丁寧に調べ、大学における教員養成との比較を行うことで、大学における教員養成の持つ意味、大学だからこそできる教員養成を明らかにしよう、という内容です。現在は全国の自治体が行なっている教師塾を調べている段階です。

 他の研究室、他の学年の方々と研究を行うのは大変刺激的です。自分が研究を行う上で当たり前であった前提、研究手法、研究の進め方が各々で異なるからです。さらに、これまで一人でうんうん言いながらああでもないこうでもないと考えていたのが、他人とああかもしれないこうかもしれないと議論しながら進めることが可能になります。こういう交流が新しい発見に繋がったり、研究のモチベーションを上げてくれるのを実感しています。

 完成はまだまだ先ですが、今後も全員で協力し合いがなら質の高い論文を書けたらいいな、と思っています。

※1、同視察における内容は、次の研究報告書にまとめられている。竹下俊治、草原和博、間瀬茂夫、森田愛子、吉田成章、米沢崇(2018)「ポートフォリオ評価を基軸とした,大学における教職課程の改革に関する研究」『広島大学大学院教育学研究科共同研究プロジェクト報告書』16巻、59-68頁

※2、同視察における内容は、次の研究報告書にまとめられている。森田,愛子、永田良太、米沢崇、松本仁志、竹下俊治、草原和博、間瀬茂夫、齊藤一彦、吉田成章(2020)「ポートフォリオ評価を軸とした教職課程の構造化(2) : 実習系 科目およびフィールドワーク等による「教育観の形成」の検討と 効果検証」『広島大学大学院教育学研究科共同研究プロジェクト報告書』18号、69-78頁

※3同視察における内容は、次の研究報告書にまとめられている。竹下俊治、草原和博、齊藤一彦、間瀬茂夫、松本仁志、森田愛子、吉田成章、米沢崇(2019)「ポートフォリオ評価を軸とした教職課程の構造化:教職科目・教育 実習科目・教職実践演習の連動性と接続性をどう高めるか」『広島大学大学院教育学研究科共同研究プロジェクト報告書』17巻、47-56頁

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