
STAFF
インタビュー
白石 崇人
准教授
専門分野:日本教育史、教育学史、教員史、教育会史
趣味:歴史の研究
好きなもの:近隣での簡単な家族旅行 ゆるキャラ(バリィさんなど)
研究内容

教育学と教師の教育研究の関係史
主な研究論文・著書
『明治期大日本教育会・帝国教育会の教員改良―資質向上への指導的教員の動員』(溪水社、2017年)、The Role of Pedagogy in Secondary Teacher Training in Early Twentieth-Century Japan(”History of Education” No.53 issue3, 2024)
Q1.現在のご研究テーマと、いま最も関心を寄せている問いについて教えてください。
教員養成における教育学の役割、教育学における教育史の役割、東広島市教育史
Q2.これまでの学習・研究の過程を振り返り、現在の研究分野に至ったきっかけを教えてください。
学部時代に躁鬱の狭間で生き惑っていた時、当時チューターだった佐藤尚子先生(東洋教育史)に「歴史は好きか」と問われたことが転機になりました。もともと日本史が好きだったので、思わず「はい」と答えたところ、あれよあれよという間に日本東洋教育史研究室に入ることになりました。そこで大林正昭先生(日本教育史)のご指導を受ける中で澤柳政太郎の教師論に出会い、自分の考えていることなど歴史の中ですでに先取されていることを痛感しました。これが、私が教育史の「沼」に最初にはまったきっかけです。
Q3.先生ご自身の立場から見て、教育学(またはご専門分野)という学問の魅力や意義はどこにあるとお考えですか。
教育学の魅力は、「教育とは何か」について、とことん考え続けられるところにあります。そして、教育学の意義は、多様な学問の方法を応用しながら教育について総合的に研究できるところにあります。教育を研究する学問は他にもあり、例えば歴史学でも教育を研究します。しかし、教育研究の深さと広がりという点では教育学に勝る学問はありません。教育史は歴史学の方法を用いて教育を研究しますが、教育学の視点がなければ、結局それはどこまでも歴史学でしょう。教育学の領域の一つとしての教育史は、歴史学の方法を活かしながらも、教育学の多様な視点によって歴史を研究し、その成果をもって教育学の視点や考え方を批判的に見直す働きをもっています。つまり、教育史は、教育学に対して批判的な検討を促し、教育学をより深める役割をもった教育学の大事な領域の一つです。
Q4.教育や教職、教育研究に関心をもつ学生に向けて、伝えたいメッセージを教えてください。
おそらくこのページを読んでいる人は、自分にとっての教育の当たり前に疑問をもった人が多いのではないでしょうか。いつから、なぜこのような教育が成立しているのか? 時系列の中で因果・影響・背景をたどり、現在を生きる我々にとっての教育の当たり前について、歴史によって問い直すのが教育史という領域です。そのような視点・方法は、教育史研究者を目指す人だけでなく、教師や市民にも必要です。 教育史は日本教育史・東洋教育史・西洋教育史という3つに細分化されますが、このうちの2つを併せ持った「日本東洋教育史」という研究室は、いま世界で広島大学にしかありません。日本の教育を深く考えるためには、日本の独自性を丁寧に見つめる視点と、東洋という多文化的な広い視野の中で日本を捉え直す視点の両方が欠かせません。また、日本から東洋や西洋の教育を問い直すことも、新たな発見をもたらす重要な研究となるでしょう。